連作障害について

連作障害とは、同じ科の野菜を続けて育てていると発生しやすい病気や害虫などの被害のことです。
本項では、科ごとの連作障害の一例と回避策について触れていきます。

連作障害の原因

連作障害は、土の中にいる病原菌が原因となることが多いです。
病原菌といっても様々で、それぞれ好む野菜が異なります。
同じ科の野菜を続けて育てていると、これらの病原菌が繁殖しやすく、それによって病気が出やすくなってしまいます。
また、土の成分バランスが崩れたり、土の中の害虫(センチュウという1mm前後の細長い虫)によっても連作障害は起こります。

人気野菜の連作障害と回避法

家庭菜園で人気が高い「ナス科」「ウリ科」「アブラナ科」「マメ科」ですが、これらは連作障害も起こりやすい科です。
栽培時は、以下の表を参考にして対策したり、育てる順番を調整したりするとよいでしょう。

ナス科


主な野菜連作障害
ナス
トマト
ピーマン
トウガラシ
シシトウ
ジャガイモ
青枯病
半身萎凋病
センチュウ類
ナスやトマトには、病害虫に抵抗性のある台木をつかった接木苗があるので、これを利用するとよいでしょう。

ウリ科


主な野菜連作障害
キュウリ
カボチャ
ゴーヤ
ズッキーニ
スイカ
メロン
トウガン
つる割病
つる枯病
センチュウ類
カボチャやトウガンには病害虫に強い接木苗があるので、これを利用することで連作障害のリスクを軽減できます。

アブラナ科


主な野菜連作障害
アブラナ
キャベツ
ハクサイ
ダイコン
カブ
ラディッシュ
チンゲンサイ
根こぶ病
センチュウ類
ダイコンやラディッシュは根こぶ病に強く、病原菌の密度を下げる効果もあります。

マメ科


主な野菜連作障害
インゲン
エダマメ
エンドウ
ソラマメ
ラッカセイ
立枯病
センチュウ類
マメ科は接木苗などの対策がないため、純粋に連作を避けるようにしてください。

連作を避ける期間の目安

同じ科でも、野菜によっては連作を避けるために空ける期間が異なります。
栽培時は以下を参考にプランを立てておくとよいでしょう。
期間野菜名
連作障害が少ないカボチャ
サツマイモ
トウモロコシ
ニンジン
タマネギ
1年シュンギク
ネギ
ホウレンソウ
レタス
2年カブ
オクラ
キャベツ
ジャガイモ
ハクサイ
3~4年キュウリ
サトイモ
ソラマメ
トマト
ピーマン
トウガラシ
5年エンドウ
ゴボウ
スイカ
ナス

「輪作」で連作障害を回避!

畑の区画を分け、1年ごとに育てる野菜をローテーションしていくことを「輪作」といいます。
区画を4つに分ければ、元の区画に戻るまで3年の間隔を開けることができます。
ポイントは科ごとに区画を分けることと、それをきちんと把握しておくことです。
4~5年の間隔を開けたほうがよい野菜もあるので、区画はなるべく多いほうが望ましいですが、1区画が狭すぎるのも勝手が悪いです。
その場合は、接木苗を使ったり、抵抗性のある品種を育てたり、土壌改良を行ったりするとよいでしょう。