土壌の酸性度(pH)とは?
まず酸性度とは、酸としての強さの程度を示す値です。1~14までの数値で表記され、7程度を中性として、小さくなるほど酸性、大きくなるほどアルカリ性を示します。
土壌の場合は、一般的な適正値は6.5程度であり、6.0を下回ると酸性と呼ばれます。
土壌の酸性度を計測するには、化学の実験で使ったリトマス紙、地面に差しこんで酸度を計測する機器、土を水で溶いて上澄みを計測する機器、土の水溶液に測定液を滴下することで色の変化を見るpH測定剤を使用するなどの方法があります。
▼おススメの酸性度(pH)測定器
シンワ測定 土壌酸度計 A
約1分間、土壌に差し込むだけの簡単測定。
電池も不要で、メーターも見やすく扱いやすいです。
RCYAGO 土壌酸度計
土壌酸度(pH)のほか、地温、水分、照度をの計4つの数値を測定できる、4-in-1土壌試験機。
表示は英語ですが、ディスプレイも見やすく分かりやすい設計です。
土壌の酸性度(pH)による影響
土壌の酸性が強い場合、根が傷んだり、リン酸を吸収しにくなったりするなど、多くの野菜にとっては良い条件ではありません。一方で、アルカリ性に傾くと、作物の生育に必要なホウ素、鉄、マンガンなどの微量要素が土壌中で溶解しにくくなり、野菜の育ちが悪くなります。
野菜の生育に適切な酸性度(pH)
作物ごとに生育に適切な土壌酸性度は異なります。一般的に6.0~6.5程度が適正値となりますが、なかには強めの酸性もしくはアルカリ性を好む作物もあるので、詳しくは以下の資料などを参考にされるとよいでしょう。
<参考資料>
・農水省公開資料
・JA全農肥料部公開資料
土壌の酸性度(pH)の改善:酸性度(pH)を上げる
土壌の酸性度(pH)を上げる、つまりアルカリ性に傾けるということです。日本においては、雨自体が酸性であるために、そして雨によって土中のアルカリ成分が流されることで酸性土壌になりやすいとされています。
また、作物を育てているだけでも土壌は酸性に傾いていくため、定期的に土壌の酸性度(pH)を確認して対策をする必要があります。
土壌の酸性度(pH)を上げる方法としては、「石灰資材を撒く」方法がもっともポピュラーです。
石灰資材には苦土石灰や有機石灰など様々な種類があり、土壌の酸性度の度合いや補給したい栄養分によって使い分けをします。
そのほか、籾殻くん炭や草木灰などを利用して改善する方法もあります。
土壌の酸性度(pH)の改善:酸性度(pH)を下げる
ハウス土壌などは、多肥、また降雨の影響を受けづらいことから、土壌がアルカリ性に傾くことがあります。基本的には、過剰施肥にならないようにするのが一番ですが、アルカリ性の土壌改良資材(ピートモス等)、酸性肥料などを利用する方法で対策することができます。